僕にとっての船
僕は大きな国道が通ってはいますが、田舎の
町で育ちました。
大きな県に挟まれた県の大きな市に挟まれた
小さな田舎町です。
育った環境は人生に結構大きな影響を与えますね。
まぁ全ての事柄において一概には言えませんが。
その小さな町であらゆる面で普通以下だった僕に
とって静かな自慢がありました。
親のことですので、それを自分の自慢にするのは
おかしなはなしですが、子供の頃はそういった
感じではなかったでしょうか?
大きな家に住んでいるとか、かっこいい車がある
とか、親の職業についてだとか・・
僕の親は節約家で、働き者でした。
悪くいうとケチなんです。
友達と同じようにしてくれないわけです。
それが今のコンプレックスに繋がっているんだと
思いますが・・・
そんな両親がなぜだかレジャーボートを持っていた
んです。
父親は魚を釣るのが好きでしたので、そこにお金を
かけたんだと思います。
お酒も飲みませんし、タバコもギャンブル
もしません。
唯一の贅沢ですね。
そんな父親の贅沢は子供にとっての自慢になる
わけです。
それがずっと僕の小さな支えになっていた気が
します。
古い家に、車は父親の兄が経営する会社の社用車
です。
でもなかなか船を持っている家はないと思います。
それとは別に、普段働きっぱなしで家で顔を
見ることがほとんど無かった父親と過ごす
いい思い出もあります。
どんな人なのかもその頃はわかっていなかった
と思いますが、船のハンドルを持って操縦して
いる父親の姿はとびっきりかっこよかったんです!
スキー場では魔法がかかるといいますが、海は
男に魔法をかけますね。
石原一家もかなり魔法がかかっていると思います。
この幼少期の思いが僕が船が欲しい理由の一つ
です。
もう一つの理由は・・
僕は妻が大好きです。
ある大きな出来事があった時にものすごく
はっきりとそれを思い知りました。
その妻に、あの時に自分が父親に向けた視線と
思いを僕に向けてほしいんです。
船という少し非日常の乗り物で、海という魔法を
かけて。
